作品世界を壊さない歌詞とは、設定を並べることではない

どうも、H1R0Iです。

作品世界のある楽曲を書くとき、つい設定をたくさん入れたくなることがあります。

舞台となる場所。
キャラクターの特徴。
世界観を象徴する言葉。
物語の背景。
関係性。
アイテム。
キーワード。

そうした要素を歌詞に入れることで、作品らしさを出そうとする。

もちろん、設定を歌詞に反映させること自体は悪いことではありません。

むしろ、作品世界を持つ楽曲では、その世界観に合った言葉を選ぶことが大切です。

けれど、ここで気をつけたいことがあります。

作品世界を壊さない歌詞とは、設定をただ並べることではありません。

設定を並べるだけの歌詞は、説明に近くなります。

このキャラクターはこういう存在です。
この世界にはこういう要素があります。
この物語はこういう背景です。
この関係性があります。

たしかに情報は伝わります。

でも、歌詞として心に残るかどうかは別です。

リスナーが本当に受け取りたいのは、設定そのものだけではありません。

その世界の中で、誰が何を感じているのか。
そのキャラクターが、どんな願いを抱えているのか。
その物語の奥に、どんな心の動きがあるのか。

そこです。

たとえば、魔法の世界を描くなら、魔法という言葉を入れるだけでは足りません。

その魔法で何を守りたいのか。
何を変えられなかったのか。
誰に届かなかったのか。
どんな孤独や願いが、その力の奥にあるのか。

そこまで見つめることで、設定はただの装飾ではなく、歌詞の心になります。

あなたが今書こうとしている歌詞は、世界観を描いているでしょうか?

それとも、世界観の説明だけで止まっていないでしょうか?

作品世界を壊さないためには、設定を守るだけでなく、その世界に流れている心を守る必要があります。

キャラクターが言わなさそうな言葉を使わないこと。
作品の空気感に合わない表現を避けること。
世界観の外側から説明しすぎないこと。

それも大切です。

けれど、それ以上に大切なのは、
その世界の中にいる人の目線で言葉を選ぶことです。

外から説明するのではなく、内側から感じる。

世界観を紹介するのではなく、その世界に生きる心を歌う。

そこに、作品世界を壊さない歌詞の本質があります。

設定は、歌詞の材料です。

でも、材料を並べただけでは料理にならないように、設定を並べただけでは歌詞にはなりません。

その設定を通して、何を感じさせたいのか。
そのキャラクターに、どんな言葉を歌わせるべきなのか。
その作品に触れた人の心に、何が残ってほしいのか。

そこまで見つめることで、歌詞は作品世界の一部になっていきます。

作品世界を壊さない歌詞とは、設定に縛られた歌詞ではありません。

設定の奥にある心を見つけ、
その世界の内側から自然に出てくる言葉を選び、
リスナーがその世界に入っていけるように整えられた歌詞です。

世界観を守るとは、言葉を飾ることではありません。

その世界に生きる心を、雑に扱わないことです。

H1R0I

この記事を書いた人

作詞専門コンサルタント、作詞家、そして連続起業家。H1R0Iとしての活動の他に、2つの独自事業を展開している。

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